別所温泉「別所の湯」

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今回の別所の湯は、神奈川県の温泉としてどこを紹介しようかと考えていた矢先に、次のようなメイルをいただいたことが切っ掛けで決まりました。
私が推薦するのは、まず別所の湯(神奈川)です。厚木インターをおりて宮ヶ瀬ダム方面へ向かい、その途中の清川村にある村営の温泉施設です。 内湯が2つと露天風呂が1つで平均的な公共の温泉施設です。 しかし、ここの魅力は何と言ってもその近さが魅力で我が家から道がすいていれば30分で着いてしまいます。 厚木インターからでも30分あれば着くと思います。宮ヶ瀬ダムを見学がてら立ち寄るといいとおもいます。 大人700円。子供(3才以上)400円。 入り口がすごく判りにくく、普通に車を走らせていると見逃してしまう可能性大です。 ほんとにちっちゃな看板しか出ていませんので、地元の人 しか行けないのではないかと思われます。私もたまたま職場に清川村から通ってきて いる貴重この上ない人間がいたので、教えてもらい判った次第です。入り口は厚木IC から宮ヶ瀬ダム方面に向かい、清川村中心部にある”唯一のセブン・イレブン”の手 前の道を左折して入ります。車がやっと一台通れるくらいの狭い道を数百メートル行 くとあります。道案内の参考になれば幸いです。

熊谷 賢三

□所在地

神奈川県愛甲郡清川村煤ヶ谷1619
電話 0462−88−3900



□交通

東名自動車道の厚木インターを下り、R246を北上して県立病院の先を左折して清川村に向かいます。 目印としては、飯山温泉の看板を利用すると迷わないと思います。また、市街を抜けると左側に川が沿っていますのでこれも目印となります。 飯山温泉を過ぎ、七沢温泉への分かれ道まできたらすぐに、道路左側にセブンイレブンがあります。あとは熊谷さんの レポートのとおりです。

□料金

大人小人
3時間700円400円
6時間1000円600円
1日利用1300円800円
超過1時間200円100円
小人とは3歳以上小学生以下

□特別室利用料

9名用カラオケ室1500円/30分
5名用カラオケ室1250円/30分

□営業時間

10:00〜21:30月曜日休館

□設備

食事処は平成8年4月からの営業予定ですので、食事と飲み物(お酒も)の持ち込みは自由です。ただし、飲めや歌えの宴会は自粛していただいていますとのことです。4月以降も当分は持ち込み自由にする予定だということです。
ここには、2階に大広間があって無料で利用できますが、10畳の和室が2つあり、こちらは2時間2000円から利用できます。(午後の利用は4時間で4000円です)
また、おもしろいことにカラオケ室が独立していて、別途料金ですが歌い放題となっていますので、 他のお客さんに気兼ねすることなく思う存分歌えます。ただし自慢ののどをアピールしたい方には向きませんが。

□概要

平成7年4月にできた村営施設ですから、まだできて1年にもなりません。建物は新しく、なかなかセンスのよい造りです。
浴室は地階(といっても斜面を利用していますので地上です)にあり、2階の休憩室まではかなり距離を感じますが、お年寄りと体の不自由な方のためにエレベータがついています。また、2階へは裏手のスロープから車椅子でも容易に出入りできるようになっています。

今回は浴室の撮影は許可されませんでしたので、入り口で勘弁してください。

浴室は、森と清流をテーマにイメージした造りになっていて、毎週火曜日に男女が入れ替わります。(今週の男湯は森でした)
残念なことに、現在はまだ温泉ではありません。(平成9年か10年にボーリング予定とのことです)

大浴槽と、ぬるめの東屋風浴槽、そしてちょっと小さ目の露天風呂があります。
またサウナと打たせ湯も付いていますので、バリエーションは豊かです。洗い場には石鹸はいうに及ばず、ボディーソープとシャンプーも付いていますのでタオルだけあれば充分。

□お土産その他

お土産は、「売店で地元のお茶を販売していますが、村内の農家がサラリーマン化してしまったために これといった産物がなくなったのが残念です。」と、お話をうかがった大矢副館長の言葉が印象的でした。今では農業・林業ともほとんどしなくなり、日曜農業でせいぜい田畑を荒らさない程度にしかやっていないということです。

左が大矢副館長

「清川村の自慢は自然なんですがねー・・・」と、村の行政を預かる立場のやるせなさをちょっぴり感じてしまいました。その清川村が宮ヶ瀬ダムによって、またさらに変身しようとしています。

休憩は2階の大広間と1階ロビー、1階の喫茶室が無料で利用できますが、利用者が多い時には廊下にも溢れてしまいます。


遅く来るとこうなっちゃいます

利用者は圧倒的に村外からで、小田急沿線、相模原、横浜がほとんどを占めるそうです。 土日には4、500人が利用し、そのほとんどが3時間利用だということですが、休憩室だけでは足りなくて、廊下にもテーブルと座布団を置いています。1階ロビーのソファもかなり満員でした。

□宮ヶ瀬ダムに貯水が始まりました

宮ヶ瀬ダムは、神奈川県の水瓶として貯水をはじめました。 これによって水不足の心配は緩和されるそうですが、以前訪れた時の素朴な風景はすっかりなくなってしまいました。 そして、子供たちと蕗のとうをとった田のあぜ道も、もうすぐ水の底に隠れてしまいます。

しかし、清川村の自然は丹沢山中に分け入ればまだまだたくさん残っています。そんな自然を楽しむ前に、宮ヶ瀬ビジターセンターで少しお勉強しましょう。(もっとも、一部はダムのコマーシャルもやっていますけれど。)
ここでは、丹沢山塊の生成メカニズムなども解説しています。あのプレートテクトニクスです。 この解説を聞いて、奥多摩、秩父に石灰石が採れる理由が分かります。

ビジターセンター周辺は、いずれ水の郷として整備され、神奈川県民の憩いの場所になります。

ここから少し先に行くと、宮ヶ瀬虹の大橋がありますが、貯水前の今は谷底までの高さに圧倒されてしまいます。(ダムの高さが約150mあるそうですから多分それに近い高さがあるのでしょうか)
ここに広がった谷に、近い将来深く澱んだ湖が広がることを想像すると、 今見ている光景がそのまま水中に展開されることへの、恐れにも似た感覚にとらわれてしまいます。

多分満水時の水面の位置でしょうか、周囲の山肌の木立が水平に伐採されていますので、湖水の深さは容易に想像できます。
以前、十和田湖を遊覧船で巡った時、「ここが最深部です。」というアナウンスに、思わず眼鏡に 手を添えて手すりから湖面を覗き込んだ時の記憶と通じるものを感じました。
ほとんど落としたりはしないはずなのですが、深いということが、落としてしまったら2度と自分の ところには帰ってこない。
そんな不安と同じに、今覗き込んでいる谷底の岩も、もう2度と見ることはできないのだろうと・・・


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瀧山善弘(たきやま・よしひろ) takiyama@act.ne.jp